去年（1960年）の院展に出そうと
思っていた栃錦の像は、
あの時仕上げて出そうとは
考えてはいたんですけど、
雑用ができて、
そのままになってしまいました。
栃錦を描こうと思った
最初のキッカケは、
向こうから引退するからと言うんで
素描のご依頼をうけましてね、
部屋にたびたび通っているうちに
本当に描きたくなりましてね、
それでケイコ場に通ったんですよ。
絵は栃錦と取りてきみたいのを
一人うしろに描きましてね。
栃錦は本当に立派な方です。
若いころから相撲が大好きで、
常陸山から梅ケ谷の相撲はよく見ました。
（『東京新聞 夕刊』 Jan.6 1961）
上記記事は口調が日常の土牛と違うので、
取材された方の著作だと思います。
奧村森（Dec.19 2020）

長良川へ何となく遊びに行った時、
鵜匠の家で鵜の自然の形を見せて貰った。
（文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)

五島美術館で三彩の展覧会があって、
三彩の壺や皿が沢山展観された。
その時の写生である。
右の壺は戦前には国宝で
戦後重要美術品になった名品という。
（文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)

資生堂の前期の椿会に出した。
（文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)